肺炎球菌ワクチンをご存知ですか?

肺炎は抗生物質が登場するまで、わが国のトップ3にランクされる疾患でした。抗生物質の発達や各種医療技術の向上により、減少していくようにみえた肺炎による死亡率が最近また上昇しています。急速に症状が進んだ場合、特に高齢者の肺炎では抗生物質などの治療が間に合わないことも少なくありません。
最近、「予防医学」という言葉をよく耳にするようになりました。肺炎について言えば、従来は主に治療の面での議論が盛んでしたが、最近では、事前に予防することの重要性が見直されています。
従来よりインフルエンザの予防にインフルエンザワクチンが接種されてきましたように、肺炎球菌による肺炎などの予防に肺炎球菌ワクチンが開発され、接種できるようになっています。

肺炎球菌とは

地球上には、最近やウィルスなど、目に見えない微生物が数多くいますが、肺炎球菌は細菌の中のひとつです。
この肺炎球菌は、体力が落ちている時やご高齢になって免疫力が弱くなってくると病気を引き起こします。肺炎球菌が引き起こす主な病気としては、肺炎、気管支炎などの呼吸器感染症や副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎などがあります。

「肺炎」は高齢者の大敵

肺炎は抗生物質などの薬の進歩と医療技術の向上により、かなりよく治療できるようになりました。しかし、高齢者にとっては肺炎はいまだに怖い病気です。
特に心臓や呼吸器に慢性疾患のある方、腎不全、肝機能障害、糖尿病などのある方などでは肺炎などの感染症にかかりやすく、症状が重くなる傾向があります。また、急速に症状が進んだ場合、抗生物質などの治療が間に合わないこともあり、危険です。

事前に予防することが大切です

肺炎をはじめとするさまざまな病気から、体を守るための日ごろの心がけとしては、外から帰ってきたときにはうがいをしたり、手を洗うなど基本的なことを励行することが大切です。また、天気のよい日には外へ出て陽光を浴びたり、散歩などの適度な運動をする、入浴などにより体を清潔に保つことも大切です。
肺炎の予防についていえば、肺炎のすべてを予防できるわけではありませんが、肺炎球菌ワクチンの接種も重要です。

肺炎球菌ワクチンとは

肺炎球菌ワクチンとは、肺炎球菌によって引き起こされるいろいろな病気(感染症)を予防するためのワクチンです。
したがって、肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌以外の病因による病気(感染症)に対しては残念ながら予防効果はありません。肺炎を例にとると、肺炎の原因となる微生物は各種細菌やウィルスなど、たくさんの種類があります。
しかし、肺炎球菌は、その中でももっとも重要な位置を占めている細菌です。
インフルエンザウィルスに多くの種類があるように、肺炎球菌にも多くの種類があります。このワクチンは、一回の接種でいろいろな型に効くように作られています。
肺炎球菌は80種類以上の型があり、それぞれの型に対して免疫をつけるような必要がありますが、肺炎球菌ワクチンを接種しておけば、そのうち感染する機会の多い23種類の型に対して免疫をつけることができます。これらの23種類の型で、すべての肺炎球菌による感染症の8割くらいを占めています。
一回の接種で23の型のほとんどに対し有効レベル以上の免疫ができます。この免疫は良く持続して5年以上続きます。

次のような方にワクチンの接種をおすすめします。


米国では、政府機関である疾患防疫センター(CDC)等により同様のかたがたに対して肺炎球菌ワクチンの接種が勧告されています